こんにちは。人生整理ノート管理人の「えいじ」です。
親の介護が始まったとき、最初に迷うのは「どこに相談すればいいのか」ではないでしょうか。
市役所なのか、病院なのか、地域包括支援センターなのか、ケアマネージャーなのか。介護の経験がないと、そもそも相談窓口の違いも分かりにくいですよね。
私の場合は、東京から福岡の実家へ戻った時点で、母はすでに要介護認定を受けていました。
だから「ゼロから介護認定を申請する」というより、今後の介護をどうしていくかについて、担当ケアマネージャーや担当医師に相談するところから始まりました。
母は心臓病を抱えていて、体が少しずつ弱っていました。
その様子を見ながら、このまま実家で介護を続けられるのか、介護度の見直しが必要なのか、施設も考えたほうがいいのか、ということを考えるようになりました。
この記事では、私の経験をもとに、親の介護で相談できる窓口の種類や選び方、要介護認定の流れ、相談前に準備しておくといいこと、実際に相談して感じたこと、よくあるトラブルへの対応まで書いていきます。
「これくらいの状態だと、まだ相談しても早いかな」と迷っている方に、少しでも参考になればうれしいです。
親の介護で迷ったら、まず相談していい
「まだ大丈夫」と思っているうちに動いておく
母の変化は、急に来たわけではありませんでした。少しずつ歩くのがつらそうになる。外出が減る。家の中の移動にも不安が出てくる。そういう変化が積み重なっていく感じです。
そんな状態を見ながら、「この先どうなるのだろう」と思い始めました。
介護の相談は、親が完全に動けなくなってからでないとできないわけではありません。むしろ、少し不安を感じた段階で動いておいたほうがいい。
なぜなら、介護は情報を知っているかどうかで、その後の動き方がかなり変わるからです。
どこに相談すればいいのか。介護認定はどんなときに申請するのか。使えるサービスにはどんなものがあるのか。こうしたことを早めに知っておくだけでも、気持ちの余裕が少し変わります。

相談することは「介護を始める覚悟を決めること」ではない
「相談したら、すぐに何か手続きをしなければいけないのでは」と身構える方もいるかもしれません。でも、相談はあくまで相談です。
今の親の状態を話して、今後どういう選択肢があるのかを聞くだけでも十分です。現状を確認する、今後の見通しを聞く、必要になったときの動き方を知る。それだけでも、相談する意味はあります。
私も最初からすべて分かっていたわけではなく、ケアマネージャーや担当医師に相談しながら、少しずつ方向性を考えていきました。
状況別:最初に相談すべき窓口
どこに相談すればいいか迷ったとき、状況によって最初の一歩は変わります。大まかに整理するとこうなります。
- 何から始めればいいか分からない → 地域包括支援センター
- 要介護認定を申請したい → 市区町村の介護保険担当課
- 介護サービスを具体的に使いたい → ケアマネージャー・居宅介護支援事業所
- 入院中・退院後の生活が不安 → 病院の地域連携室・医療相談室
- 認知症の症状や接し方を相談したい → 地域包括支援センター・認知症専門相談
- 家族間で揉めている → 地域包括支援センター・弁護士・家庭裁判所
- 介護で精神的に限界を感じている → よりそいホットライン・保健所・医療機関
なお、転倒、意識障害、急病、行方不明など緊急性が高い場合は、介護相談窓口ではなく、まず119番・110番に連絡してください。

親の介護で相談できる主な窓口
地域包括支援センター
親の介護で最初に名前を聞くことが多いのが、地域包括支援センターです。高齢者の介護・医療・福祉・生活全般の相談を受け、必要な制度やサービスにつなげてくれる公的な窓口です。
(出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」)。
「まだ介護認定を受けていないけれど、親の様子が心配」「どこに相談すればいいか分からない」という段階でも相談できます。
認知症の心配、在宅介護の限界、高齢者虐待のおそれ、成年後見制度の相談など、幅広く対応してもらえます。
自治体によっては「地域ケアプラザ」「高齢者あんしん相談センター」「あんしんすこやかセンター」など、異なる名称で運営されていることがあります。
担当エリアは住んでいる地域によって決まっているので、親が住んでいる市区町村のホームページか介護保険窓口で確認できます。
センターには、保健師・社会福祉士・主任ケアマネージャーなどの専門職が配置されています。それぞれが役割を持ちながら連携して相談に対応しているので、介護のことだけでなく、権利擁護や医療連携なども含めて相談しやすい場所です。
私の場合は、実家に戻った時点で母がすでに要介護認定を受けていたので、最初の入口はケアマネージャーや担当医師への相談でした。
まだ認定を受けていない状態であれば、地域包括支援センターはかなり重要な最初の相談先になると思います。

市区町村の介護保険窓口
市区町村の介護保険課・高齢福祉課などは、介護保険制度の運営を担う行政窓口です。要介護認定の申請受付、介護保険サービスの案内、認定調査の調整などを行っています。
介護保険サービスを利用するには、原則として要介護認定または要支援認定を受ける必要があります。本格的に介護サービスを使いたい場合は、ここへの申請が必要になります。
また、介護保険外の高齢者福祉サービス(配食・緊急通報装置・見守りサービス・住宅改修費助成など)を実施している自治体もあります。内容や条件は自治体によって異なるので、親が住んでいる市区町村の窓口で確認してみてください。
私も最初は、何をどこで聞けばいいのか分かりにくかったです。「次に何をすればいいか」を確認するという入口として使いやすい場所だと思います。
担当のケアマネージャー
すでに親が要介護認定を受けている場合、担当ケアマネージャーはとても大事な相談相手です。
介護サービスの利用計画(ケアプラン)を作成し、各サービス事業者との調整を行うのがケアマネージャーの仕事です。
親の状態が変わってきたとき、今のサービスで足りているのか、今後どんな支援が必要か、介護度の見直しを考えたほうがいいかどうかも含めて相談できます。
家族だけで判断していると、「この程度ではまだ無理かも」と思いがちです。でも専門職から見ると、すでに見直しを考えたほうがよい状態かもしれない。私がもっと早く知っておきたかった部分はここです。
担当医師・主治医
親の体調や病状を一番よく見ているのは医師です。介護認定や介護度の見直しでは、本人の身体状況や病状が関係してきます。
病院での診察時に、普段の生活で困っていることを具体的に伝えることも大切です。「最近、歩くのがかなりつらそうで」「家の中の移動に時間がかかるようになりました」「トイレや入浴のときに不安があります」。
こういう日常の変化を伝えると、医師にも状況が伝わりやすくなります。家族が見ている生活の変化と、医師が把握している医学的な状態、この両方を整理しておくことが大事です。

病院の地域連携室・医療相談室
親が入院中、または退院を控えている場合は、病院内の地域連携室や医療相談室に相談できます。医療ソーシャルワーカーや看護師などが、退院後の生活、在宅医療、介護サービス、施設入所、医療費の不安などに対応してくれます。
退院日が決まってから慌てて介護サービスを探すと、準備が間に合わないことがあります。「退院後の一人暮らしが不安」「介護ベッドや手すりが必要かもしれない」と感じたら、早めに相談するのがいいと思います。
病院側から地域包括支援センターやケアマネージャーにつないでもらえる場合もあります。
社会福祉協議会
社会福祉協議会は、地域福祉を推進する非営利組織で、市区町村・都道府県・全国単位で設置されています。
高齢者介護に関連する支援としては、地域の見守りや配食サービス、「日常生活自立支援事業」(認知症や障害などで日常的な金銭管理や手続きが不安な方を支援する制度)などがあります。
また、介護サービスに対する苦情を解決できない場合、都道府県社会福祉協議会に設置されている「運営適正化委員会」に相談する方法もあります。
要介護認定の申請からサービス開始までの流れ
介護保険サービスを使うには、まず要介護認定の申請が必要です。初めてだと流れが分かりにくいので、順を追って説明します。
制度上の基本的な流れは、厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも確認できます(出典:厚生労働省「介護保険の解説|サービス利用までの流れ」)。
① 市区町村窓口へ申請
本人、家族、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所などが申請できます。本人が窓口に行けない場合でも、家族やセンターによる申請支援が可能です。
遠距離介護の場合は、親が住んでいる地域の地域包括支援センターへ電話で相談し、申請方法を確認するとスムーズです。申請時には介護保険被保険者証と申請書が必要になります。
② 認定調査
市区町村の職員または委託を受けた調査員が、自宅や病院などを訪問して心身の状態と生活状況を確認します。
ここで注意したいのは、親が調査員の前で「できる」と答えてしまいやすい点です。他人の前では弱っている姿を見せたくない、家族に迷惑をかけたくない、という気持ちから、実際より軽く見える回答をしてしまうことがあります。
そのため、家族は次のような情報を事前にメモしておくとよいです。
- 転倒した日時・回数
- 食事・入浴・排泄・着替えで困っていること
- 薬の飲み忘れや火の消し忘れ
- 夜間のトイレ介助や見守りの頻度
- 暴言・妄想・介護拒否などの具体例
- 家族が実際に担っている介護時間
「最近よく転ぶ」より「4月10日・18日、5月2日に玄関で転倒。5月2日は立ち上がれず家族が駆けつけた」というように、具体的な事実で書くと調査員にも伝わりやすくなります。

③ 主治医意見書の作成
市区町村が主治医に意見書の作成を依頼します。主治医がいない場合は、市区町村に相談して医療機関の受診が必要になることがあります。
④ 一次判定・二次判定
調査結果をもとにコンピュータによる一次判定が行われ、介護認定審査会で主治医意見書なども踏まえた二次判定が行われます。
⑤ 認定結果の通知
要支援1・2、要介護1〜5、または非該当の結果が通知されます。申請から原則30日以内とされていますが、状況によって遅れることもあります。
結果が実態より軽いと感じる場合は、市区町村窓口やケアマネージャーに相談しましょう。不服がある場合は都道府県の介護保険審査会へ審査請求できますし、状態が変化した場合は「区分変更申請」を検討することもできます。
⑥ ケアプラン作成・サービス開始

要支援なら地域包括支援センター、要介護ならケアマネージャーがケアプランを作成します。その後、利用するサービスごとに事業者と契約し、実際のサービスが始まります。
相談前に整理しておくと話がスムーズになること
初めての介護相談で、すべてを完璧に準備する必要はありません。ただ、次の5点をメモしておくと、相談員が状況を把握しやすくなります。
1. 親の基本情報
氏名・生年月日・住所、一人暮らしか同居かなどの居住状況、介護保険被保険者証の有無、要介護認定の有無。
2. 身体・医療・認知の状態
持病、かかりつけ医、服薬内容、歩行状態、転倒の有無、食事・排泄・入浴・着替えの状況、物忘れ・徘徊・感情の起伏など。薬の情報はお薬手帳があると非常に役立ちます。
3. 介護が必要だと感じた具体的なきっかけ
冷蔵庫に腐った食品が増えていた、同じものを何度も買っていた、火の消し忘れがあった、近所から徘徊の連絡があった、体重が急に減った……こうした出来事があると、専門職にも状況が伝わりやすくなります。
4. 家族構成と介護できる範囲
同居家族がいるか、遠距離介護か、主に連絡を取るキーパーソンは誰か、週に何日・何時間なら関われるか。
ここで大切なのは、「理想」ではなく「現実的に続けられる範囲」を伝えることです。無理な介護体制を組むと、家族が先に倒れてしまいます。
5. 経済状況と利用中のサービス
親の年金額・預貯金の大まかな状況、毎月介護に使える予算、すでに利用している配食や見守りサービスなど。介護保険サービスは所得に応じて1〜3割の自己負担があり、支給限度額を超えると原則全額自己負担になります。
費用が不安な場合も、早めに窓口に相談してください。

私が最初に相談したのは、ケアマネージャーと担当医師
「今の介護度で合っているのか」を確認するところから
福岡の実家へ戻った時点で、母はすでに要介護1を持っていました。だから私の場合、「初めて介護認定を申請する」というスタートではありませんでした。
むしろ、すでにある体制を確認しながら、これからどうしていくかを考える段階でした。今の介護度で合っているのか、今のサービスで足りているのか、施設も考えたほうがいいのか。そうしたことをケアマネージャーや担当医師に相談しました。
一度認定を受けたら終わり、ではありません。親の状態に合わせて見直しを考える必要があると、実際に向き合ってみて分かりました。
今すぐ困っていなくても、見通しを立てるために相談した
私が相談したきっかけは、「今すぐ何かに困っていた」というより、この先の不安を整理したかったという感じでした。
これからどうなっていくのか。どこまで家で介護できるのか。どのタイミングで施設を考えるのか。こうした見通しがないまま家族だけで抱えていると、じわじわしんどくなります。
私自身も、無職のまま介護を続けることには限界を感じていました。だからこそ、母の状態を専門職に見てもらいながら、今後の方向性を相談することが必要でした。
相談することで、頭の中でぼんやりしていた不安が少し具体的になります。全部が一気に解決するわけではないけれど、「次に何を考えるか」が見えやすくなる。それだけでも、相談する価値はあると思います。
介護度の見直しについて、もっと早く知っておきたかった
介護度は一度決まったら終わりではない
私がもっと早く知っておきたかったことのひとつが、介護度の見直しについてです。
母の状態は少しずつ変わっていきました。体が弱り、動くことが難しくなる。家の中での生活にも不安が出てくる。そうなったとき、今の介護度が本当に合っているのかを考える必要があります。
ただ当時の私は、どのような状況なら介護度を上げる相談ができるのかを、十分に分かっていませんでした。もっと早く知っていれば、もう少し早く動けたかもしれないと思っています。
「これくらいでは無理かも」と自分で決めつけない
まだ何とか動けている、まだ家で生活できている、だから介護度を上げる相談はまだ早い。そう考えてしまうことがありました。
でも、家族が「まだ大丈夫」と思っている状態でも、専門職から見ると支援が必要な段階かもしれません。状態を伝えて相談することが先です。

日常の困りごとをメモしておく
いざ相談しようと思っても、その場ではうまく説明できないことがあります。毎日見ているからこそ変化に慣れてしまうこともある。
「そういえば最近、立ち上がるのが大変そうだった」「トイレに行くまでに時間がかかるようになった」。こうした変化をメモしておくと、相談のときに伝えやすくなります。日付と気づいたことを短く書くだけで十分です。
こんなときはどうする?よくあるトラブル別の対応
親の物忘れが増えてきた
「年だから仕方ない」と放置してしまう家族は少なくありません。ただ、物忘れの原因は認知症だけでなく、うつ病、薬の副作用、脱水、感染症、睡眠障害などさまざまです。
早めに相談することで、治療や生活支援につながる可能性があります。
まずは地域包括支援センターやかかりつけ医に相談しましょう。必要に応じて、もの忘れ外来や認知症疾患医療センターを紹介してもらえます。
対応で大切なのは、本人を強く否定しないことです。「さっき言ったでしょ」「何回同じことを聞くの」と責めると、本人の不安や混乱が強まり、関係が悪化します。
まず本人の気持ちを受け止め、困っている生活場面を整理しながら専門機関につなげることを優先しましょう。
親が介護サービスや施設入居を拒否する
「まだ大丈夫」「他人を家に入れたくない」「施設には入りたくない」。こうした言葉は多くの方が経験します。
背景には、自分はまだ大丈夫だと思いたい気持ち、見捨てられるような感覚、認知症により状況を理解しにくいなど、さまざまな事情があります。
家族が正面から説得しようとすると、かえって拒否が強くなることがあります。地域包括支援センターやケアマネージャーなど第三者に入ってもらうのが有効です。
デイサービスを嫌がる場合でも、「リハビリ」「運動」「囲碁・将棋」など本人に合う目的から始めると受け入れやすくなることがあります。
施設についても、いきなり有料老人ホームの話をするのではなく、ショートステイ、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどを段階的に検討する方法があります。

兄弟姉妹の間で介護費用や負担をめぐって揉めている
同居している子どもだけに負担が集中する、遠方の兄弟姉妹が大変さを理解しない、費用分担や親の預金管理で不信感が生じる。介護ではこうしたトラブルが起こりやすくなります。
まずケアマネージャーや地域包括支援センターに相談し、親の状態・必要な介護量・利用できるサービス・費用の見込みを客観的に整理しましょう。
そのうえで家族会議を開き、「主介護者は誰か」「通院同行は誰がするか」「費用をどう分担するか」「将来施設に入る場合の方針は」などを確認します。
家族だけで話し合いができない場合は、家庭裁判所の親族関係調整調停や、弁護士・法テラスへの相談も選択肢になります。

ヘルパーや施設職員の対応に不満がある
約束の時間に遅れる、言葉遣いがきつい、サービス内容が契約と違う、本人が怖がっている。こうした場合は、まず具体的な事実を整理してから相談しましょう。
在宅サービスであれば、担当ケアマネージャーや事業所のサービス提供責任者に相談します。施設であれば、生活相談員や施設長、苦情受付担当者に伝えます。
それでも解決しない場合は、市区町村の介護保険担当課や国民健康保険団体連合会、運営適正化委員会に相談する方法があります。
虐待が疑われる場合や身体に危険がある場合は、速やかに市区町村や地域包括支援センター、必要に応じて警察・救急へ連絡してください。
介護疲れで限界を感じている
夜間のトイレ介助、徘徊への対応、介護拒否、仕事との両立。在宅介護では身体的・精神的・経済的な疲労が重なりやすくなります。介護を続けるためには、家族が休む時間を確保することが不可欠です。
デイサービス、ショートステイ、訪問介護などのレスパイトケア(介護者が一時的に休息を取るための支援)を積極的に使ってください。「親のため」だけでなく「介護を続けるため」にサービスを使うという考え方が大切です。
「消えてしまいたい」「もう限界」と感じたときは、よりそいホットライン、こころの健康相談統一ダイヤル、保健所、かかりつけ医などにも相談してください。
介護をしている家族が追い詰められることは珍しくありません。相談することは弱さではありません。
また、仕事を辞めることはできるだけ避けてほしいと思います。介護離職すると収入が減るだけでなく、社会とのつながりが切れ、精神的に追い詰められやすくなります。
勤務先の介護休業制度や短時間勤務制度を確認し、サービスと組み合わせながら仕事を続ける体制を考えるほうがいいと思います。
施設入居を考えることへの罪悪感
在宅介護が限界になったとき、施設入居を考えることに罪悪感を持つ家族は多くいます。でも、家族が倒れてしまえば、親の生活も守れなくなります。
老人ホーム、グループホーム、特別養護老人ホームなど、本人の状態に合った住まいを選ぶことは、家族関係を守るための選択肢でもあります。
「家で看ることだけが愛情」ではありません。安全な環境と専門職の支援を使いながら、家族が家族として関わり続ける形も、立派な介護のひとつです。
私の場合も、母の状態と自分の生活を考えた結果、施設への入居を考えるようになりました。この判断に至るまでには迷いもありました。でも、早めに相談しながら選択肢を知っておいたことが、最終的な判断の助けになったと思っています。

夜間・休日の緊急相談はどうする?
地域包括支援センターの通常受付時間は、自治体によって異なります。平日の日中のみの地域もあれば、夜間・休日は転送電話で緊急相談に対応する地域もあります。
夜間や休日に起こりやすい問題としては、親が家を出て戻らない、転倒して動けない、急に混乱・興奮が強くなった、退院直後に生活が立ち行かなくなったなどがあります。
急病やけがは119番、行方不明や身の危険がある場合は110番が優先です。その後の生活支援や再発防止については、地域包括支援センターや市区町村の時間外窓口に相談しましょう。
お住まいの地域の夜間・休日の対応方法は、事前に確認しておくと安心です。

認知症が心配なときの専門相談
物忘れ、被害妄想、徘徊、怒りっぽさ、同じ話の繰り返し、薬の飲み忘れなどが気になる場合は、早めに相談しましょう。
地域包括支援センターは認知症の初期相談先として最も身近で、必要に応じてもの忘れ外来や認知症疾患医療センター、介護サービスにつないでもらえます。
また、公益社団法人「認知症の人と家族の会」では、介護経験者による電話相談を実施しています。制度の説明だけでなく、実際の介護の悩みや家族の気持ちを受け止めてもらいやすいのが特徴です。
受付時間や相談方法は変わることがあるので、利用前に公式情報を確認してください。
65歳未満で発症する若年性認知症の場合は、仕事や住宅ローン、育児など一般的な高齢期の認知症とは異なる課題が生じます。若年性認知症コールセンターや認知症疾患医療センター、地域包括支援センターに相談しましょう。
福岡県大野城市の場合:地域包括支援センターの相談先
自治体によって名称や担当窓口は異なりますが、参考として私が住んでいた福岡県大野城市の体制を紹介します。
大野城市では、市内を複数の地区に分け、それぞれの地域包括支援センターが相談に対応しています。
| センター名 | 電話番号 |
|---|---|
| 基幹型地域包括支援センター(瓦田) | 092-501-2306 |
| 南地区地域包括支援センター(つつじケ丘) | 092-589-2632 |
| 中央地区地域包括支援センター(上大利) | 092-595-6802 |
| 東地区地域包括支援センター(中) | 092-504-5858 |
| 北地区地域包括支援センター(仲畑) | 092-501-3838 |
行政窓口としては、高齢者福祉・認知症施策・成年後見制度などは「すこやか長寿課」(092-501-2306、長寿支援担当:092-580-1859)、要介護認定や介護保険サービスに関する手続きは「介護支援課」(介護サービス担当:092-580-1860)が担当しています。
「親の生活が心配」なのか「要介護認定を申請したい」のか「介護サービス事業者の対応について相談したい」のかを整理してから連絡すると、適切な担当窓口につながりやすくなります。
実際の相談先・電話番号・受付時間は自治体ごとに異なります。親が住んでいる市区町村の公式情報で確認してください。
相談してよかったと感じたこと
一人で抱え込まなくてよくなった
担当ケアマネージャーや担当医師に相談することで、自分だけで抱えていた不安を外に出すことができました。それだけでも気持ちが少し軽くなります。相談できる人を増やすことが、介護を続けるうえでとても大切だと感じました。
次に何を考えるかが見えてきた
相談することで、「今すぐ決めること」と「今後考えること」を分けやすくなります。母の状態を確認する、今のサービスで足りているか考える、介護度の見直しを相談する、施設入所も選択肢として考える。そういう流れが少しずつ見えてきました。

まとめ:親の介護の相談は、早めに動いたほうがいい
「これくらいでは介護認定してもらえないかも」「まだ相談するほどではないかも」。そう思って動けないでいると、使える制度を知らないまま時間が過ぎていきます。
介護は、早く相談するほど選択肢が増えます。
最初の一歩は、完璧に準備してから相談することではありません。「何から始めればいいか分からない」という状態のまま、地域包括支援センターや市区町村窓口に連絡して大丈夫です。
私が後悔していることのひとつは、介護度を上げられる状況についてもっと早く知っておけばよかったということです。母の状態が変わってきたとき、家族だけで「まだ無理だろう」と決めつけず、早めに相談していれば、と思う部分があります。
迷ったら話してみる。早めに動く。それだけでも、介護する側の気持ちはかなり楽になります。
この記事が、どこに相談すればいいか迷っているあなたの小さな手がかりになればうれしいです。
※ご注意ください
この記事は、筆者自身の実体験や調べた内容をもとに書いています。介護認定、介護サービス、介護度の見直し、施設入所などの制度や手続きは、時期・地域・本人の状態・家族構成・個別事情によって異なる場合があります。実際に手続きを進める際は、市区町村の介護保険窓口、地域包括支援センター、担当ケアマネージャー、担当医師などの専門機関にご確認ください。
この記事を書いた人
えいじ
58歳で早期退職し、両親の介護をきっかけに東京から福岡の実家へ戻りました。父母の看取り、単独相続、実家売却、マンション購入、フルリフォーム、失業手当受給、転職を経験。このブログでは、元サラリーマンの実体験をもとに、50代後半からの人生整理を記録しています。