「実家売却の現実と備え 査定額に振り回されず、家族の資産を整理するために 経験者による実録と専門家活用ガイド」という文字と、家のイラストが描かれたスライド。

実家じまい

実家売却の不動産会社の選び方|高い査定額だけで決めて後悔した体験

こんにちは。人生整理ノート管理人の「えいじ」です。

このブログでは、私自身が経験した50代後半での早期退職、親の介護、介護施設への入所、相続、実家売却、住み替えなどについて、実体験をもとに書いています。

今回は、実家売却で不動産会社を選ぶときに、私が実際に経験したことを書いていきます。

母を介護施設に入れることを検討し、介護施設の費用のことを考えはじめたとき、頭に浮かんだのが実家の売却でした。

一括査定サイトで5社に声をかけ、それぞれの話を聞いて回った。査定額も担当者の印象もバラバラで、最初は何を基準に選べばいいのかまったく分からない状態でした。

結果から先に言うと、一番高い査定額を出してくれた地場の不動産会社を選んだものの、半年以上たっても問い合わせも内覧もほとんどなく、最終的には3,000万円から2,000万円まで下げて売ることになりました。

この記事では、私が経験した失敗と後悔をもとに、不動産会社の選び方、一括査定の使い方、媒介契約の種類、相続登記や税金の注意点まで、実家売却で知っておくべきことをまとめました。

同じような状況で悩んでいる方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

実家売却が「単なる家の売却」ではない理由

実家を売ると決めたものの、最初は何から手をつければいいのかも分かりませんでした。地元の会社がいいのか、大手がいいのか。査定額はどこまで信用していいのか。

しかも、実家はただの不動産ではありません。母が長年暮らした家であり、自分にとっても大切な場所です。だからこそ、少しでも納得できる形で手放したかった。

売却の背景には、母の介護施設費用という現実的な問題もありました。年金だけでは費用が足りない可能性があり、実家の売却資金をあてにせざるを得ない状況でした。

さらに売却時期には母はすでに亡くなっており、売却後は自分自身のマンション購入にも充てることを考えていました。

実家売却は単に家を手放す話ではなく、相続登記、遺産分割、税務申告、空き家管理、残置物処分、場合によっては親の認知症対策まで関係する、複合的な実務プロセスです。

これからの生活全体に関わる大きな判断だと、今ならそう言えます。

実家を中心に「介護」「相続」「税金」「境界」「登記」の5つの要素が繋がり、「これからの生活全体に関わる、複合的な実務プロセスです。」と説明されている図解スライド。

一括査定で5社に依頼した経験から分かったこと

最初にやったのは、ネットの一括査定サイトへの登録です。どこに頼めばいいか分からなかったので、まずは複数社の話を聞こうと思いました。

依頼したのは5社。それぞれ査定額も説明の仕方も担当者の雰囲気も違っていて、比較できたこと自体は良かったです。

ただ、現地確認や説明を受ける時間もそれなりにかかりました。査定依頼後には複数の不動産会社から電話やメールが一斉に届き、対応に追われたのも事実です。

その中から、査定額や説明を聞いて最終的に地場の2社お願いしました。

一括査定を使う際にいくつか工夫できることがあります。依頼する会社は多すぎても後の対応が大変ですし、少なすぎても査定額の比較するのに難しいです。

自分は無職の時期でしたので、説明を聞く時間も取れると言うことで5社の話を聞きました。

仕事をしているかただと時間がとるのが難しくなるので、自分の時間にあわせて絞ることをおすすめします。

それと、査定依頼フォームの備考欄に「初回連絡はメールでお願いします」と書いておくこと、営業連絡管理用の専用メールアドレスを用意しておくこと。こうした準備をするだけで、対応の負担はかなり減ります。

一括査定の負担を減らす方法として「一、会社を絞る(三社から五社)」「二、連絡方法を指定する(初回はメール)」「三、専用アドレスを作る」の3つを箇条書きで解説しているスライド。

また、地方や過疎地域の空き家では、一括査定サイトの提携会社が少なく、そもそも査定対応不可になることもあります。

地方の実家売却では、一括査定だけに頼らず、地元の不動産会社や自治体窓口にも相談することをおすすめします。

大手と地場、どちらに頼むべきか

不動産会社には大きく分けて、全国規模の大手と地域密着型の中小があります。どちらが正解かは物件の所在地や状態によって違います。

私が最初に選んだのは地場の会社でした。地域のことをよく知っていそうで、「この地域の物件を探している人が結構いる」という説明に納得感があったからです。

ただ、売り出し後の反応が薄く、後から大手を追加することになりました。最初から両方を比べていれば、と今は思います。

一般的な傾向として、大手は人気エリアや都市部の物件、駅近、新興住宅地などで強みを発揮します。全国規模の顧客ネットワークや広告力があり、Web集客力も高い。

会社によっては建物状況調査、設備保証、ハウスクリーニング、買取保証などの付帯サービスも充実しています。

一方、地方都市や郊外、築年数の古い戸建て、接道条件が弱い土地、個別事情の多い物件などは、地域密着型の会社が向いている場合があります。

地元の買主の傾向、隣地所有者の事情、自治体の空き家対策制度などに詳しいことが多く、全国ポータルサイトでは拾いにくい個別ニーズを把握していることもあります。

自治体によっては老朽空き家の解体補助、空き家バンク、移住支援、リフォーム補助などの制度があります。地域密着型の会社であれば、こうした制度の活用もサポートしてもらえる場合があります。

また、地方の実家では敷地内の農地・山林・私道・未登記建物・残置物・境界問題など、都市部とは異なる課題が発生しやすくなります。

私の実家は、駅も10分圏内で数分県内にスーパーやコンビニ、病院もありリッチ条件としてはいい方だったので、最初から大手を選んでおけば違う結果がでたのではないかと今では思っています。

大手(駅周辺、都市部、高い広告宣伝力、充実した保証サービス)と地域密着(地方都市、郊外、古い戸建て・空き家、地元の買主傾向や補助金制度に明るい、個別事情に柔軟)の特徴を左右に分けて比較したスライド。

こうした個別事情に柔軟に対応できるかどうかも、会社選びの重要な判断材料です。

「3,000万円で売れるかもしれない」という言葉の落とし穴

5社のうち4社は「良くて2,500万円、通常だと2,200万円くらい」という説明でした。

今振り返るとかなり現実的な数字だったのですが、1社だけ「この地域の物件を探している人が結構いるので、3,000万円で売れるかもしれません」と言ってくれた会社がありました。

正直、この言葉にはかなり期待しました。結果として、この会社を中心に進めることにしました。でも今思えば、「高く売れそう」という期待に判断を引っ張られすぎていました。

大事なのは、その価格で売れる根拠があるかどうかです。査定を受ける際には必ず次のことを確認してください。

  • この査定価格の根拠となる近隣の成約事例はどれか
  • 現在売り出されている競合物件はいくらか
  • いくらなら3か月以内に売れる可能性が高いか
  • 価格を高めに出した場合、どの期間で反響を判断するか
  • 反応がなかった場合、いつ価格を見直すか

高額査定を鵜呑みにしないための5つの質問

査定価格そのものよりも、説明の筋道と根拠の明確さを見ることが重要です。

媒介契約を取りたいがために相場より高い査定額を出し、売却活動開始後に大幅な値下げを求めるケースは実際にあります。私もその一人でした。

売り出してから感じた現実、そして価格を下げるまで

3,000万円で売り出してみると、思っていたより反応がありませんでした。半年以上が経っても問い合わせは少なく、内覧もない状態が続きました。

母親の施設の入所の件もあり、焦りと不安が積み重なっていきました。

価格を2,500万円に下げましたが、それでも動きは鈍く、最終的には2,000万円くらいまで下げることになりました。当初の3,000万円からは大きな差です。

この経験で強く感じたのは、希望価格と売れる価格は違うということです。不動産の価格は売る側の気持ちでは決まりません。

買う側がどう見るか、周辺相場はどうか、需要はあるか。そうした現実を直視できていれば、結果は違っていたかもしれません。

売り出す前に、価格を下げるタイミングの基準を不動産会社と話し合っておくことをおすすめします。1か月反応がなければどうするか、3か月で内覧がなければどうするか。

方針を決めておくだけで、売却中の不安はだいぶ減ります。

売り出す前の準備として、「開始時(売り出し価格と確実に売れる価格を共有)」→「一ヶ月後(反応がなければ広告や見せ方を見直す)」→「三ヶ月後(内覧がなければ価格の引き下げを決断する)」というステップが矢印で繋がれたスライド。

媒介契約の種類と選び方

不動産会社と締結する媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があります。それぞれ、複数社への依頼可否、レインズ登録の義務、業務報告の頻度が異なります。

契約の種類 複数社への依頼 自己発見取引 レインズ登録 売主への報告
一般媒介 可能 可能 任意 法律上の義務なし
専任媒介 不可 可能 締結翌日から7営業日以内 2週間に1回以上
専属専任媒介 不可 不可 締結翌日から5営業日以内 1週間に1回以上

一般媒介は複数社に依頼できるため、人気エリアの物件では競争原理が働きやすい反面、不動産会社側の優先度が下がりやすい側面があります。

専任媒介は1社に絞る代わりに、レインズ登録と定期報告の義務があり、活動状況を把握しやすくなります。初めて実家を売却する場合は、専任媒介が現実的な選択肢になることが多いです。

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の比較表

私は最初は2社、後から大手を追加した一般媒介契約を結びました。

なお、地方や郊外では売却価格が低額になることがあります。

2024年7月1日以降、物件価格が800万円以下の宅地・建物については媒介報酬の上限が見直され、依頼者一方から受け取れる報酬の上限は税込33万円以内とされています(以前の「400万円以下・18万円税別」という案内は古い情報のため注意が必要です)。

売却が難しい物件では、この特例報酬が不動産会社にとって活動するインセンティブになることも理解しておくと、交渉がしやすくなります。

担当者を見極めるためのチェックポイント

不動産取引の成否は会社のブランドだけでなく、担当する営業担当者の力量に大きく左右されます。特に実家売却は、相続、税金、残置物、境界、遠隔地対応などが絡むため、担当者の経験値が重要です。

信頼できる担当者かどうかを見極めるポイントを挙げます。

  • 査定価格の根拠を周辺事例や地価動向などで具体的に説明できるか
  • 広告の質が高いか(写真の枚数・明るさ、間取り図の見やすさ、説明文の内容)
  • 相続登記、税務、境界など、専門外の課題を適切な専門家につないでくれるか
  • 反応がない場合の対応策を事前に話してくれるか
  • 質問にきちんと答えてくれるか、曖昧な返答が多くないか

また、依頼前に国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで、その不動産会社が過去に行政処分を受けていないかを確認しておくことも有効です。

処分歴があるからといって直ちに危険というわけではありませんが、内容と時期を確認することはリスク管理になります。

相続登記の義務化と売却前に必要な手続き

2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。これにより、実家の名義が亡くなった親のままになっている場合、一定期間内に相続登記を申請しなければなりません。

相続によって不動産を取得した相続人は、自分のために相続があったことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。

正当な理由なく違反した場合、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。

なお、2024年4月より前に発生した相続も義務化の対象ですが、経過措置として2027年3月31日までに登記すれば原則として期限内の対応となります。

さらに、2026年4月1日からは住所・氏名変更登記も義務化されます。不動産の所有者が住所や氏名を変更した場合、変更日から2年以内に変更登記を申請しなければなりません。

正当な理由なく違反した場合、10万円以下の過料の対象になる可能性があります(出典:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」)。

2024年4月開始の「相続登記の義務化(相続を知った日から3年以内、過去の相続も対象)」と、2026年4月開始の「住所・氏名変更登記の義務化(変更日から2年以内)」、および違反時の過料に関する注意書きがまとめられたスライド。

実家を売却する際、登記簿上の住所が現在と異なっている場合は、売却前に住所変更登記が必要になることがあります。

登記簿上の名義を確認し、売却前に相続登記が完了しているかどうか、まず司法書士に相談することをおすすめします。

相続人が多数で戸籍収集に時間がかかる場合や、遺産分割協議がまとまらない場合は特に早めの動き出しが重要です。

あわせて、実家の土地・建物以外にも親名義の不動産が残っていないかを確認しましょう。自宅だと思っていたものの他に、私道持分、農地、山林、倉庫などが残っているケースがあります。

こうした見落としを防ぐには、不動産が所在する市区町村の固定資産税担当窓口で名寄帳を取得するのが効果的です。

名寄帳には、固定資産税の通知書には載っていない免税点未満の土地や私道持分も記載されていることがあります。

売却益にかかる税金と「相続空き家特例」

実家を売却して利益が出た場合、その利益には譲渡所得税がかかります。

ただし、要件を満たせば「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」(相続空き家特例)を使って、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる場合があります。

この特例を使えるかどうかで、手残り額は大きく変わります。制度の詳しい要件は、国税庁の公式情報も確認しておくと安心です(出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)。

主な適用要件は次のとおりです。

  • 相続または遺贈により取得した家屋または敷地であること
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(マンション等の区分所有建物は対象外)
  • 相続開始直前に、原則として被相続人が1人で住んでいたこと
  • 相続から売却まで、事業用・貸付用・居住用に使われていないこと
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 耐震基準を満たすか、建物を取り壊して売却するなどの要件を満たすこと

なお、被相続人が亡くなる直前に老人ホームに入所していた場合でも、要介護認定等を受けていたこと、入所後に家屋が貸付・他人の居住用に使われていないことなど、一定要件を満たせば特例の対象になる場合があります

「老人ホームに入っていたから使えない」と決めつけず、必ず税理士や税務署に確認してください。

2024年以降の改正で、売却後に買主が耐震改修または建物の取り壊しを行った場合でも、一定要件を満たせば特例の対象になりました(譲渡の翌年2月15日までに工事が完了していること等が条件)。

古家付きのまま売却し、買主が引き渡し後に解体するケースでも特例を使える可能性が広がっています。ただし、売買契約書の記載内容が重要になるため、契約前に税理士への確認が必須です。

また、相続人が3人以上の場合、2024年1月1日以後の譲渡では特別控除の上限が1人あたり2,000万円に制限されます(2人以下の場合は従来どおり最大3,000万円)。

兄弟姉妹で共有相続して売却する場合は、遺産分割協議の段階でこの点も踏まえて検討しておくことが大切です。

もう一点、見落としがちなのが取得費の問題です。譲渡所得を計算する際、親が実家を購入したときの代金や諸費用(仲介手数料、登記費用、リフォーム費用など)を取得費として差し引けます。

しかし古い実家では購入時の売買契約書が残っていないことが多く、証明できない場合は売却価格の5%しか取得費として認められません。

2,000万円で売却した場合、100万円しか取得費に計上できないことになります。

実家売却を検討しはじめたら、まず親が購入したときの売買契約書、建築請負契約書、リフォームの領収書などを探してみてください。

なお、譲渡所得が発生すると翌年の国民健康保険料や後期高齢者医療保険料にも影響することがあります。税額だけでなく、社会保険料への影響も含めて試算しておくことをおすすめします。

売れない不動産の処分方法

地方の実家、山林、農地、老朽化した空き家などは、市場で売り出しても買主が見つからないことがあります。そうした「負動産」の処分策として、いくつかの選択肢があります。

2023年4月27日から始まった相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈で取得した土地を、法務局の審査を経て国に引き取ってもらえる制度です。

ただし、要件はかなり厳しく、建物がある土地は申請段階で却下事由に該当します。建物を解体して更地にする必要があり、解体費用は売主負担です。

また土壌汚染、境界不明、抵当権設定、地中埋設物がある土地なども承認が難しくなります。

審査手数料は土地1筆あたり14,000円(却下・不承認でも返還なし)、承認された場合は別途負担金が必要で、20万円が基本ですが市街化区域等の宅地や農地・森林では面積によって超える場合があります。

申請から決定まで8か月程度かかるため、「すぐに手放したい」というケースには向いていません。

民間の不動産引き取り事業者という選択肢もありますが、所有権移転登記が確実に行われるか、追加費用が発生しないか、契約書に不利な条項がないかなど、慎重な確認が必要です。

利用する場合は司法書士や弁護士に契約書を確認してもらうことをおすすめします。

買主が見つからない場合の選択肢として、「その一:相続土地国庫帰属制度(建物解体が必要、審査・負担金あり)」「その二:民間の引き取り業者(リスクがあるため専門家に要確認)」「その三:自治体の空き家バンク(移住支援や解体補助と組み合わせる)」を解説した三段並びの図解スライド。

そのほか、不動産会社による直接買取(仲介より価格は低くなりやすいが早期売却できる)、隣地所有者への売却、自治体の空き家バンク登録なども含めて、複数の選択肢を比較して判断することが大切です。

親が健在のうちに考えておくべきこと

実家売却は、親が亡くなった後だけでなく、老人ホームや介護施設へ入所するタイミングで検討されることもあります。そのとき最も注意すべきなのが、親の認知症による意思能力の低下です。

不動産の売買契約は、所有者本人が契約内容を理解し、自分の意思で売却を決める能力があることが前提です。親が認知症などで意思能力を失っている場合、子どもが勝手に代理して売却することはできません。

この状態になってしまうと、家庭裁判所に申し立てて成年後見人を選任してもらう必要があります。

成年後見人が選任されるまでには時間がかかり、場合によっては親族ではなく専門職後見人が選任されることもあります(継続的な後見人報酬が発生します)。

さらに、実家が「居住用不動産」に該当する場合、成年後見人であっても売却には家庭裁判所の許可が別途必要です。

施設入所前に住んでいた家や、将来戻る可能性がある家も居住用不動産に含まれる場合があります。許可なく処分した場合、その処分は無効となります。

こうした問題を防ぐために有効なのが、親の判断能力があるうちに締結する家族信託です。

親を委託者兼受益者、子どもを受託者として実家などの財産管理を任せる仕組みで、その後に親の判断能力が低下しても、信託契約で定めた範囲内で子どもが管理・売却を進められます。

成年後見制度より柔軟に財産管理を設計できるため、近年活用が広がっています。

親の判断能力の低下を示す右肩下がりのグラフと共に、元気なうちに契約して子供が柔軟に売却・管理できる「家族信託」と、判断能力低下後に家庭裁判所の許可や時間・費用がかかる「成年後見制度」を対比したスライド。

ただし家族信託は、親に契約内容を理解できるだけの意思能力が必要です。「最近物忘れが増えてきた」と感じたら、早めに司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。

課題ごとに頼るべき専門家

実家売却では、相談すべき相手が問題ごとに異なります。不動産会社は税務申告を代理できませんし、税理士は登記申請を代理できません。それぞれの専門領域を理解しておくことが、スムーズな売却への近道です。

課題・相談内容 相談窓口
実家がいくらで売れるか知りたい・買主を探したい 不動産会社
相続登記、戸籍収集、遺産分割協議書の作成支援 司法書士
売却益の税金・相続空き家特例・確定申告 税理士
遺産分割でもめている・相続人間のトラブル 弁護士
境界が不明・測量が必要 土地家屋調査士
空き家バンクや解体補助・移住支援制度 市区町村役場
残置物・遺品の整理・処分 遺品整理業者(一般廃棄物収集運搬許可業者)
認知症への備え・家族信託・任意後見 司法書士・弁護士
売却後の資金の使い方・老後資金の相談 ファイナンシャルプランナー

各専門家の役割を理解し、必要に応じて連携してもらえる体制を整えることが、実家売却を成功させる鍵になります。

信頼できる不動産会社の担当者は、自分の手に負えない課題を適切な専門家につないでくれます。そうした連携力を持っているかどうかも、会社・担当者選びの大事な視点です。

左側の「売却価格・買主探し」「相続登記・戸籍収集」「売却益の税金・特例」「境界不明・測量」「遺品整理・残置物」などの課題から、右側の「不動産会社」「司法書士」「税理士」「土地家屋調査士」「遺品整理業者」などの専門家へ矢印が複雑に交差して結ばれている図解スライド。

まとめ:査定額より「納得できるか」を基準にする

私は高い査定額に期待して不動産会社を選び、結果的に価格を大幅に下げることになりました。

後悔しているのは、「なぜその価格なのか」「本当にその金額で売れる根拠があるのか」を、もっとしっかり確認しなかったことです。

実家売却で後悔しないために、私の経験からまとめると次のとおりです。

  • 査定額の高さだけで決めず、価格の根拠と販売方針を確認する
  • 地場2社・大手1社の計3社を比較する
  • 売り出し価格と「確実に売れる価格」の両方を事前に話し合っておく
  • 価格を下げるタイミングの基準を最初に決めておく
  • 相続登記が完了しているか、売却前に確認する(2024年から義務化)
  • 相続空き家特例が使えるか、税理士に早めに確認する
  • 親が健在の場合は、認知症に備えた家族信託を早めに検討する
  • 問題に応じて司法書士・税理士・弁護士など専門家を使い分ける

実家売却は、家族の資産を整理する大きな節目です。

不動産会社選びを入口に、相続・税金・登記・境界・残置物・将来の認知症対策まで見据えて準備することで、トラブルを防ぎ、納得できる形で実家を次の所有者へ引き継ぐことができます。

実家売却で後悔しないための現実的な準備(まとめ)

※ご注意ください
この記事は、筆者自身の実体験と調べた内容をもとに書いています。不動産査定、実家売却、媒介契約、売却価格、税金、相続、住み替えなどは、時期・地域・物件状況・家族構成・資産状況・個別事情によって異なります。
法律・税制の内容は改正されることがあります。実際に判断する際は、不動産会社、税理士、司法書士、弁護士などの専門機関にご確認ください。

この記事を書いた人

えいじ

58歳で早期退職し、両親の介護をきっかけに東京から福岡の実家へ戻りました。父母の看取り、単独相続、実家売却、マンション購入、フルリフォーム、失業手当受給、転職を経験。
このブログでは、元サラリーマンの実体験をもとに、50代後半からの人生整理を記録しています。

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