こんにちは。人生整理ノート管理人の「えいじ」です。
今回は、私が実際に築50年以上の中古マンションを購入して感じた、築古マンションのリスクについて書いていきます。
実家の売却を終えた後、住み替え先として選んだのが築50年以上の中古マンションでした。駅まで徒歩5分、道路を挟んだ目の前にイオンのショッピングセンターがあり、スーパーも病院も近い。
立地だけを見れば申し分ない物件でしたが、築50年以上という年数には正直、かなり不安がありました。
建物全体の老朽化は大丈夫なのか。修繕積立金は将来も持つのか。自分たちが亡くなった後、娘に負担を残さないか。そういったことが、頭のなかをぐるぐると回っていました。
この記事では、購入前に感じていた不安、実際に確認したこと・確認しきれなかったこと、665万円かけてフルリフォームした後に見えてきたことを、できるだけ正直に書いていきます。
購入後に調べてわかった制度やデータも交えながら、同じように築古マンションで迷っている方に、ひとつの実体験として参考にしてもらえればうれしいです。
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それでも購入を決めた理由
築年数の古さに不安はありました。
購入までの経緯は50代でマンション購入を決めた理由でも詳しく書いていますが、それでも購入を決めたのは、立地・金額・間取りの3つの条件が、自分たちの状況にきれいに合っていたからです。

駅まで徒歩5分という距離は、50代後半からの住み替えを考えるうえで大きな安心材料でした。今は問題なく動けますが、10年後、20年後はわかりません。
車なしでも移動できる場所に住むことは、老後の暮らしを考えると優先度が高かった。
さらに目の前にイオンがあり、病院も徒歩圏にある。この利便性は、築年数の古さと引き換えにするだけの価値があると判断しました。
資金面では、実家の売却資金内で購入費とリフォーム費用の両方をまかないたいと考えていました。
築古物件だったからこそ購入価格を抑えられ、その分リフォームに回せた。3LDKという間取りも、夫婦ふたりで暮らすには十分な広さで、生活しやすいと感じました。
築年数を理由に選択肢から外すのは簡単です。でも自分たちの生活と資金の実情に照らしたとき、「ここにする」という判断が一番合理的だと思えた。そういう物件でした。
耐震性:「築年数」より「建築確認日」を見る
築古マンションを検討するとき、「築年数が古い=耐震性が低い」と単純に考えがちです。でも購入後に調べてみると、正確には建築確認をいつ受けたかが重要だとわかりました。

1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物は「旧耐震基準」、1981年6月1日以降は「新耐震基準」と区分されています。
旧耐震基準は主に震度5程度の中規模地震への安全性を想定したもの。新耐震基準は震度6強〜7程度の大規模地震でも倒壊・崩壊しないことが求められています(出典:国土交通省「これだけは知っておきたい!マンションの管理状況チェック」)。
私が購入したマンションは築50年以上ですから、建築確認の時期からして旧耐震基準に該当する可能性が高い物件です。
購入前に耐震診断の実施履歴や耐震補強工事の有無を確認しましたが、今思えば「耐震基準適合証明書が取得できるか」まで突っ込んで確認しておけばよかったと思っています。
耐震性は安全性の問題にとどまりません。住宅ローンの審査、住宅ローン控除の適用、将来の売却のしやすさにも直接影響します。
旧耐震基準の物件では、買い手の心理的な不安が大きく、金融機関の担保評価にも響きやすいからです。
| 区分 | 建築確認時期の目安 | 耐震性能の考え方 | 購入時の主な確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 旧耐震基準 | 1981年5月31日以前 | 中規模地震(震度5程度)を主な想定 | 耐震診断の実施履歴、補強工事の有無、耐震基準適合証明書の取得可否 |
| 新耐震基準 | 1981年6月1日以降 | 大規模地震でも倒壊・崩壊を防ぐ考え方 | 建築確認日の確認、施工状態、管理状況 |
なお、旧耐震基準でも耐震診断・補強が実施されていれば、耐震基準適合証明書が取得できる場合があります。
逆に新耐震基準でも施工不良や管理不全があれば安全性に問題が生じることも。「基準がどちらか」だけで安心しないことが大切です。
購入前に確認したこと、確認しきれなかったこと
購入前に確認したのは、管理費・修繕積立金の月額、共用部分の管理状態、立地と間取りです。
共用廊下やエントランスの清潔さ、掲示板の整理具合を見て、管理がある程度機能していることは確認しました。
ただ今振り返ると、確認が足りなかった部分が3つあります。
長期修繕計画の内容
今後の大規模修繕がいつ予定されているのか、外壁・屋上・配管の修繕費用がどう見込まれているのか。月額の修繕積立金だけでなく、計画全体を確認しておくべきでした。
一般的に、マンションは築10〜15年で1回目の大規模修繕、築25〜30年で2回目を迎えることが多いとされています。
築30年を超えると外壁、屋上防水、給排水管、エレベーター、機械式駐車場など、高額な修繕項目が一気に増えてきます。
私が購入したマンションはすでにその段階を大きく超えていますから、今後どんな修繕が控えているかを把握しておくことは必須だったと思います。
修繕積立金の残高と値上げの見込み

毎月いくら払うかは見たのですが、マンション全体としていくら積み立てられているかまでは確認できていませんでした。
後から知ったのですが、日本の分譲マンションでは新築時の販売価格を魅力的に見せるため、当初の修繕積立金を低く設定し、年数に合わせて段階的に増額する方式がよく使われているそうです。
積立が長年不足したまま大規模修繕の時期を迎えると、区分所有者に一時金の請求が来ることもあります。
その金額が数十万円で済む場合もあれば、工事内容によっては百万円単位になる可能性もあると聞いて、背筋が冷たくなりました。
購入後の家計に直結する話ですから、積立金の残高・滞納率・値上げ予定・管理組合の借入金の有無まで確認しておくべきでした。
管理組合の運営状況と建て替えの可能性
総会が開かれているか、修繕についての議論がなされているか、管理費の滞納はないか。築年数が古いほど、管理組合がどう動いているかは建物の将来に大きく関わってきます。
購入時はそこまで調べる余裕がありませんでしたが、できる範囲で確認しておいた方がいいと今は思います。
「マンションは管理を買え」とよく言われますが、築古マンションほどこの言葉が重くなります。室内がきれいかどうかより、管理組合の財務状況と合意形成の力が、建物の将来を左右するからです。
住宅ローンと税制の落とし穴
私は実家の売却資金で購入しましたので住宅ローンは組みませんでしたが、後から制度を調べてみると、築古マンション特有の注意点がいくつかあることに気づきました。
同じような物件を検討している方には知っておいてほしい内容です。
借入期間が短くなる可能性

住宅ローンの審査では、物件の担保評価が融資条件に影響します。築年数が古い物件では、新築や築浅と同じ35年ローンが組みにくくなる場合があるそうです。
たとえば、築35年のマンションを購入する場合、金融機関によっては20年や15年など短い返済期間を提示されることがあります。
返済期間が短くなると総返済額は抑えられますが、毎月の返済額が大きく変わります。仮に3,000万円を金利1.5%で借り入れた場合の目安がこちらです。
| 借入期間 | 月々の返済額(目安) | 総返済額(目安) |
|---|---|---|
| 35年 | 約91,900円 | 約3,860万円 |
| 25年 | 約120,000円 | 約3,600万円 |
| 20年 | 約145,000円 | 約3,470万円 |
| 15年 | 約186,000円 | 約3,350万円 |
15年返済だと35年返済の約2倍の月額になります。物件価格が安くても、返済期間が短くなれば毎月の負担は大きく違ってきます。
築古マンションを住宅ローンで購入する場合は、事前に複数の金融機関に相談しておくことが大切です。
住宅ローン控除の適用条件に注意

住宅ローン控除は、年末のローン残高の一定割合を所得税・住民税から控除できる制度です。ただし、中古マンションでは適用条件を正確に確認する必要があります。
かつては「耐火建築物のマンションは築25年以内」という築年数要件がありましたが、現在は耐震基準への適合が重視される形に変わっています。
旧耐震基準の物件でも、耐震基準適合証明書などで耐震性が確認できれば対象になる場合があります。逆に証明できない場合は、控除が使えなかったり、耐震改修が必要になったりすることも。
また、省エネ性能の高い住宅には控除の優遇がある一方、築古マンションは断熱材が不十分だったり窓が単板ガラスだったりして、現代の省エネ基準に適合しない場合も多いです。
「13年間控除を受けられる」と思って資金計画を立てていたのに、実際の控除額が想定より少なかった——そうならないよう、契約前に税理士や税務署にも確認することをおすすめします。
リフォームで変わったこと、変えられなかったこと
購入後、665万円かけてフルリフォームを行いました。キッチン、浴室、トイレ、洗面所の水回りを一新し、床・壁・建具・収納・電気・給湯器も入れ替えました。
築50年以上の物件でも、室内をここまで手を入れると、日々の暮らしで感じる古さはかなり減ります。リフォームしてよかった、と素直に思っています。
一方で、リフォームでは変えられないものもあります。

建物自体の築年数と共用部分
室内をどれだけ新しくしても、建物が築50年以上であることは変わりません。外壁、屋上、共用廊下、建物全体の配管——こうした部分の老朽化は、自分の部屋だけで解決できるものではありません。
部屋の中がきれいになると、つい建物全体のことを忘れそうになりますが、マンションは建物全体で成り立っています。
見えない配管へのリスク

特に築古マンションで見落とされやすいのが、配管まわりです。室内の水回り設備を新しくしても、壁の裏や床下、共用の縦配管などには経年劣化が進んでいる可能性があります。
古いマンションでは亜鉛メッキ鋼管など錆が発生しやすい材料が使われているケースもあり、赤水や詰まり、漏水事故の原因になり得ます。
漏水事故は自分の住戸だけの問題では済まず、階下への損害賠償につながることもあります。
私も水回りをリフォームしましたが、「設備が新しくなった=配管も安心」とはならないことを、リフォーム業者と話しながら実感しました。
給排水管の材質や更新履歴、共用配管の改修計画は、購入前に確認しておくべき項目でした。
アスベストの問題
リフォームを進める中で初めて意識したのが、アスベスト(石綿)の問題です。アスベストはかつて耐火・断熱・防音性に優れた建材として広く使われていましたが、健康被害の問題から現在は厳しく規制されています。
解体・改修工事では、原則として石綿含有建材の有無について事前調査が必要です。2023年10月以降は、この調査を有資格者が行うことが義務化されています。
もし工事箇所からアスベスト含有建材が見つかった場合、専門業者による除去・適切な処理が必要になり、工期延長や費用増加につながることがあります。
リフォーム前提で築古マンションを購入する場合は、物件価格だけでなく、アスベスト調査費用と万が一の除去費用まで含めて資金計画を立てておく必要があります。
構造や規約による制限
私の場合、お風呂の追い炊きができないことが住み始めてから気になった点です。構造や配管の関係で、希望する設備が入れられないケースは築古マンションにはよくあります。
壁で建物を支える「壁式構造」のマンションでは、室内の壁を撤去できないため大幅な間取り変更が難しいことがあります。
また管理規約でフローリングへの変更が禁止されていたり、遮音性能に基準が設けられていたりと、希望通りの工事ができない場合も。
「できること・できないこと」をリフォーム前に細かく確認しておくことが大切です。
住んでみて感じていること
実際に住んでよかったと思うのは、生活の便利さです。駅が近い、買い物が近い、病院が近い——この3つが揃っていることは、暮らしていて本当に助かります。
以前は古い戸建ての実家を管理していたので、修繕・庭・雨漏り・防犯と、考えることが山ほどありました。マンションに移ってからは、そういった負担からかなり解放されました。
後悔している点は、追い炊きができないこと以外には、今のところ大きなものはありません。ただ、不安が消えたわけでもありません。
将来の売却について
東京にいる娘が将来このマンションを引き継いだとき、さらに築年数が古くなった状態で売れるのか。これは今でも頭の片隅にあります。
後から調べてみると、築古マンションの売却には複合的な障壁があることがわかりました。
買い手が耐震性や老朽化に不安を感じやすいこと、住宅ローンの担保評価が低くなりやすく借り手が現金購入できる投資家や自己資金の多い人に限定されやすいこと、税制優遇を受けにくければ買い手にとっての魅力が下がること——こうした要因が重なると、立地が良くても売却価格が下がったり時間がかかったりする可能性があります。
ただし、都市部や駅近などの好立地の物件は、建物が古くても一定の需要を維持することがあります。私が選んだ理由のひとつもそこにあります。
「今の自分が住みやすいか」だけでなく、「将来ほかの人も買いたいと思う立地か」という視点で場所を選ぶことが、出口を考えるうえで重要だと感じています。
「建て替えで新しくなる」は期待しない方がいい
「築古マンションもいずれ建て替えられるでしょ」と思っている方がいるかもしれません。私も漠然とそう考えていた部分がありましたが、実態を調べると、建て替えはかなりハードルが高いと知りました。
国土交通省の資料によると、2024年末時点の分譲マンションのストック数は約713万戸にのぼります。一方、2025年3月末時点での建て替え実績は累計323件・約26,000戸にとどまっています。
制度として存在していても、実際に実現している件数は全体から見ればごくわずかです(出典:国土交通省「マンションに関する統計・データ等」)。
建て替え決議には原則として区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成が必要で、2026年4月施行の改正法で一定条件下では4分の3に緩和されますが、それでも合意形成は容易ではありません。
さらに現在の築古マンションの多くは容積率の上限近くまで建てられており、増やせる床面積が少なければ建て替え費用を分譲収入でまかなうことが難しく、区分所有者の自己負担が大きくなります。
所有者の高齢化、外部オーナーの増加、相続未登記の問題なども合意形成を複雑にします。「建て替えが実現しない場合でも保有・売却できるか」という前提で判断することが大切だと思います。
管理費・修繕積立金の値上げリスク
修繕積立金の値上げや大規模修繕時の追加負担の可能性も、年金生活を見据えると無視できない不安です。
購入時には支払える金額でも、将来値上げされたときに家計が持つかどうか。特に50代以降の購入では、老後の収入が減った後の負担まで想定しておく必要があります。
築古マンションの購入を考えている方へ
私が実際に購入・リフォームを経験して思うのは、築古マンションは「安く買えるから気軽に」という選択肢ではなく、複合的なリスクをきちんと理解したうえで判断する必要がある物件だということです。
購入価格が安くても、リフォーム費用・管理費・修繕積立金・将来的な修繕負担・アスベスト調査費用を合計すると、思ったよりも大きな出費になることがあります。
住宅ローン控除や借入条件も、築古物件では想定通りにならない場合があります。
立地は後から変えられません。駅やスーパー、病院へのアクセスは、年を取るほど重要になります。そして管理状態も丁寧に見てください。
共用部分の清潔さだけでなく、長期修繕計画・修繕積立金の残高・管理組合の運営状況まで、書類レベルで確認できると安心です。
最後に、購入前に確認しておきたい主な項目をまとめます。私自身がもっと早く知っておけばよかったと思う内容です。
| 確認項目 | 主なチェック内容 |
|---|---|
| 耐震性 | 建築確認日(1981年6月1日以前か以後か)、耐震診断の実施履歴、補強工事の有無、耐震基準適合証明書の取得可否 |
| 配管 | 給排水管の材質、更新履歴、漏水の過去履歴、長期修繕計画に配管更新が含まれているか |
| 修繕積立金 | 積立残高、滞納率、値上げ予定、臨時徴収の可能性、管理組合の借入金の有無 |
| 長期修繕計画 | 計画の有無と更新時期、工事項目、今後の大規模修繕予定と資金の過不足 |
| 管理体制 | 委託管理か自主管理か、理事会・総会の開催状況、管理会社の変更履歴 |
| 管理規約 | リフォームや床材の制限、ペット・民泊・事務所利用のルール、工事可能な曜日・時間 |
| 住宅ローン | 借入可能な期間、担保評価、旧耐震物件の融資可否(複数の金融機関に事前相談) |
| 税制優遇 | 住宅ローン控除の対象可否、耐震基準の適合、省エネ基準、床面積・所得要件 |
| アスベスト | リフォーム前の事前調査の必要性、含有建材の可能性、除去が必要になった場合の費用と工期 |
| 間取り変更の可否 | 構造(ラーメン構造か壁式構造か)、床下スペース、希望設備の設置可否 |
| 出口戦略 | 将来の売却需要(立地・耐震性)、賃貸需要、建て替えの可能性(容積率・合意形成の難易度) |

築古マンションには確かにリスクがあります。でも確認すべきことを押さえて、自分たちの生活や資金の実情と照らし合わせて判断すれば、選択肢として十分あり得ます。
私自身、立地の良さと資金計画が合致していたことで、納得して選んだ物件でした。この記事が、同じように迷っているどなたかの参考になればうれしいです。
※ご注意ください
この記事は、筆者自身の実体験をもとに書いています。耐震基準、住宅ローン控除、修繕積立金、アスベスト規制、建て替え制度などは、物件の条件・地域・管理組合・法改正・金融機関の審査方針によって異なります。
また、税制や制度は変更される場合があります。実際に購入を判断する際は、不動産会社、管理会社、金融機関、税理士、建築士、マンション管理士などの専門家に個別でご確認ください。
この記事を書いた人
えいじ
58歳で早期退職し、両親の介護をきっかけに東京から福岡の実家へ戻りました。父母の看取り、単独相続、実家売却、マンション購入、フルリフォーム、失業手当受給、転職を経験。
このブログでは、元サラリーマンの実体験をもとに、50代後半からの人生整理を記録しています。